婚約とは、男女間で将来の結婚を約束すること。つまり、婚姻契約の予約をすることです。
日本の場合、婚約といえば、例えば、男性から女性へ婚約指輪を渡し、女性から男性へ時計などを渡すといったことがよく行われますが、それがないと婚約が成立しないというわけではありません。
婚約は口約束であっても、男女の間で結婚のキチンと約束ができていれば、婚約というものは成立するのです。
婚約した者は、将来結婚するように努力する義務をお互いが負うこととされております。
義務を負った以上は、それを果たさなければ責任が問われるというのが、法の見解です。
したがって、正当な理由のない婚約破棄は、違法行為とみなされ、慰謝料請求(損害賠償)の対象となるケースは少なくありません。
婚約破棄の損害は、婚約に至るまでに要した金銭や新居の手配など金銭や物質的なものにとどまらず、婚約破棄された側の精神的苦痛や周囲の親族との人間関係などいわゆる精神的損害についても、損害賠償責任(慰謝料の根拠)が発生するのです。
婚約破棄の慰謝料が請求できるのは、婚約破棄をするにあたり正当な理由がなく、一方的に婚約破棄された場合です。
具体的な例を挙げてみます。
@ 他に好きな異性ができたから。
(婚約者以外の異性と性的関係を持つなど)
A 一緒にいるのが飽きた。
B 家風が自分に合わない、顔が気に入らない性格が合わないなど。
C 結婚は面倒だからしばらく遊びたい。
D 特に理由を説明されることなく、一方的に婚約破棄された場合。
※ 婚約破棄する側に正当な理由があると認められる場合は、慰謝料請求が難しいでしょう。具体的には次のような場合が挙げられます。
【正当な理由に基づく婚約破棄の例】
@ お互いの合意による婚約解消
A 例えば、学歴、職業、地位などを偽っていたとか、多額の借金を隠していたなどのように結婚生活に重大な影響を与えるような場合。
B 婚約後に不貞、暴力、侮辱、暴言などの行為があり不誠実で将来を期待できないとき。
→ 例えば、暴力の場合は、それを証明するケガの診断書などの証拠を押さえておきことをお勧めします。
C 交通事故等で婚約者が回復の見込みのない病気やケガをした為に婚約破棄する場合。
D 失業等で婚約者の経済状態が日常生活をするうえで支障がでほどに悪化した。
Q 婚約者には妻子がいました。 「妻とはうまくいっていないから、必ず別れる。別かれたら結婚しよう。」といわれていたので、私もその気だったのですが、結局婚約者は、妻と別れられず、「結婚はできない。」と言って、婚約を破棄されました。慰謝料を請求したいのですが、認められますか?
A 婚約者に妻子がいることを知っていて交際したような場合には、慰謝料請求は難しいでしょう。逆に本当の妻側から不倫の慰謝料を請求される可能性があります。
配偶者がいることを知っていながらの婚約は、法的には無効とされ、婚約不履行の責任を問うことはできません。
「約束を破られたのに責任追求できないの?」と思われるかもしれませんが、そもそも「妻や子供と別れる。」と言う約束は、実現するにはかなり困難な約束です。特に子供がいる場合には、子供と別れることはつらくて容易なことではありません。このような約束は、安易に信じてはいけないものだとお考えください。
【相手が独身と偽っていた場合は?】
@「独身なんだ。」
A「妻(又は夫)とは別居中で離婚の合意ができている。」
といったことを婚約者が言ってきて、婚約者のことをあなたが信用して婚約した場合はどうなるのでしょうか?
以上のように、あなたの婚約者に配偶者がいたことを知らないで、婚約した場合には、 婚約破棄に伴う慰謝料請求が認められた判例があります。