住宅ローン付き不動産の財産分与は、例えばマンションが夫名義で、それを財産分与として名義を妻に変えることは比較的簡単にできます。とりあえず、銀行の承諾がなくても変更登記自体はできます。でも、期限の利益を喪失して、銀行に一気に残額を請求される場合もありますので、銀行の承諾を得てください。
しかし、その住宅ローンを支払うのが夫だとした場合、銀行は住宅ローン債務者を夫から妻へ変更することをなかなか認めてくれません。
このような場合、「妻は住宅ローンを必ず支払い、夫に迷惑をかけない。このような事態が発生した場合は…」と書面を作成しておけば住宅ローンの滞納を防ぐ効果が多少はあります。 とはいえ、それでも滞納した場合は、銀行の信用情報でブラックリストにのる可能性はかわりません。
次に財産分与として家などの住宅を分ける場合の、具体的な方法を2つのケースで説明します。
※ 次の3つの方法が考えられます。
@ 売却して、そのお金を分ける。
A どちらかが住宅を単独所有し、相手の持分についてはお金を払う。
B 持分を決めて共有とし、不動産分割請求をする。
※ 次の2つの方法が考えられます。
@ 売却して利益が残ったらそれを分け、住宅ローンが残ればマイナスの財産分与として
二人で払う。
A どちらかの単独所有にして、所有者が残りの住宅ローンを引き受け、価値を精算する。
例えば、現在、土地建物夫の名義、住宅ローンの支払いは夫、更に当該不動産には抵当権が設定されている場合とします。その場合、次の4つのパターンがあります。
【パターン1】夫の名義のまま、住宅ローンも夫が支払う。
不動産は夫の所有、妻に金銭を分与することになります。
この場合、不動産を時価評価するまでに返済した金額を、元金充当分として、財産分与の対象とします。これが500万円だった場合、例えば2分の1財産分与するとした場合は、夫250万円、妻250万円となります。つまり、夫は不動産を取得する代わりに妻に250万円、金銭を支払うことになります。
もちろん、当事者の合意があれば、その金額を支払えばいいです。
【パターン2】妻の名義に変更し、妻が住み、住宅ローンは夫が支払う。
妻が不動産を取得し、住むことになりますが、夫が支払いを続けます。しかし、夫が住宅ローンの支払いを怠った場合、不動産が競売にかけられ、新しい所有者が決まると、妻はそこを出て行かなくてはならなくなります。夫がしっかり完済してくれれば良いのですが、もしもの時のことを考えると不安が残ります。
【パターン3】夫の名義のまま、妻が住み、住宅ローンは夫が支払う。
妻は夫との間に賃貸借契約などを交わすこともありますが、これもパターン2と同じように、夫が支払いを怠ると、不動産は競売にかけられ新しい所有者が決まるとそこから出て行かなくてはならなくなります。パターン2と同じように不安が残ります。
無料で借りる使用貸借契約より、いくらかでもお金を払って賃貸借契約にしておきましょう。 なぜなら、夫がいつまでも無償で貸してくれる保証はありません。賃貸借なら、借家人として法的に保護されます。ただし、賃貸借契約でも、夫が住宅ローンを滞納したら競売にかけられる状況は変わりません。
【パターン4】妻に資力があり、銀行が住宅ローンを妻に変更し、妻が住む。
この場合は、特に問題ありません。しかし、実現はなかなか難しいです。
※ 以上のように、住宅ローンの残っている不動産の財産分与は非常に困難です。夫婦で、どのような分与の方法をするかをよく話し合いをしましょう。
【住宅ローンに関するご相談ができる不動産業者さんを紹介します!!】
※ 以下のようなご相談を承っております。
・ 離婚後は、今の家には誰も住まないので、家を売って現金を財産分与したい。
・ 夫の破産に伴い離婚することになりました。これまでの自宅はローンを抱えた状態だったので、夫の破産後は出て行かなければならないのはわかっているのですが、次の引越し先がすぐに見つからないし、引越しの費用についても困っています。どうしたらいいですか?
・ 不倫した夫に離婚後はローンだけ支払ってもらい、家には私と子供が引き続き住みたい・・・。でも、夫は養育費やローンの支払いまで全部できるのかが不安です・・・。
・ 夫は「離婚後は、住宅ローンが残っているが、自宅を売却する。」と言ってます。仮に自宅が売れたとしても、なお、ローンの残債が残っている場合はどうなるの?
財産分与として車をもらう場合、車のローンが残っていなければ名義変更するだけでいいです。
もし、車のローンが残っていたら、その名義は通常車のローン会社になっていますので、夫婦の合意だけでは譲り渡すことができません。 このような場合は、夫婦・車のローン会社の間で債務者の変更等の手続が必要になります。